ウサギ
「あ、もしもし?実は頼みごとがあってさあ」
友人のAから電話があった。私の家の倉庫を貸してくれ、と言う。
私の倉庫はほとんど使われていないので了承することにした。
Aの自宅にも古い蔵はあるのだが、先祖代々引き継がれてきた物に加え
収集癖があるAは、興味が湧くと色々な物をとことん集めてしまう。
とうとうその蔵にも置く場所がなくなったということで、我が家の倉庫に目をつけたという所らしい。
以前ちらっと見せてもらった時は、まだ結構余裕があったように思ったのだが
最近は一体何を集めていたのだろう。
少し興味が湧いた私は、Aに蔵の中を見せて欲しいと頼んでみた。
「ああ、いいよ」
電話越しに快諾の声が聞こえ、私は早速Aの家へ向かった。